夏休みの学習について〈発問してもらうことで自分の課題に気づく〉
武蔵野北高校 合格清家 俊哉さん
袖山先生 夏休みを効果的に活用して1学期にやりきれなかったことを消化したい、そう考える人が多いのですが、清家さんはどうでしたか?
清家さん 中学三年生の六月の模擬テストで、自分が思っていたよりも成績が低く、これまでの学習だけでは受験には通用しないのではないかと危機感を持ち、学習のやり方を変えたのが夏休みでした。
袖山先生 焦る気持ちもあったと思いますが、冷静に対応しようと考えたのですね。具体的にはどのようにやり方を変えたのですか?
清家さん それまでは知識をしっかり定着させて定期テストで点数をとることに注力していたんですが、それでは入試で出題されるようないくつかの知識を組み合わせて解く問題には対応できませんでした。そこで、知識の反復に割く時間を少なくし、実戦的な問題演習に時間を割くようにしました。
実際にアウトプットしながら、どういった知識を活用して成果にたどり着くのか、考え方とそのプロセスを重視して取り組むことで、逆に知識も整理でき、応用的な問題にも対応できるようになりました。
袖山先生 そのために夏期講習はどのように活用されたのですか?
清家さん 塾の授業自体、基本的に演習量が確保されるようにできていました。さらに、演習と解説の間に先生が生徒に「どのようにして解くのか」を質問して答えさせてくれるので、自分の考え方のプロセスが正しいのかどうか、間違っているとすればどこに問題があるのかを示してもらうことができます。
同じ問題に対する考え方が複数の生徒に質問されるので、正解との違いだけでなく、他の生徒との違いも確認することができ、一つの問題からいくつかのことを一度に学び取ることができました。だから、授業の復習に集中するだけで夏期講習は十分活用できました。
袖山先生 授業中以外はどうでしたか?自学習の内容も自分で決めていたのですか?
清家さん 基本的には自分で考えて決めていましたが、毎回の授業で発問を繰り返してもらうことで、自分の課題や弱点を把握できます。そこを重点的に復習し、改善することを自学習の中心にしました。
先生方も授業中に明確になった僕の課題に対してどのようにすれば克服できるのか、授業が終わってからでもアドバイスしてくださったので、それも参考にして進めることができました。
袖山先生 答えを出すことよりも答えの導き方を大切にして演習に取り組んだということですね。その結果夏休み明けにはどのような成果がありましたか?
清家さん アウトプットする力が向上し、秋以降の模擬テストの成績が安定しました。夏期講習だけではまだまだ繰り返しが少なく、完璧にできたわけではありませんが、秋から入試直前にかけて進めていく入試問題演習の取り組み方の「型」ができたことが夏の成果として一番大きかったです。
袖山先生 この夏休みの学習を成果につなげたいと思っている人たちにたいへん参考になる話を聞くことができました。